第13章

彼女は少し間を置いて、続けて言った。その口調には明らかに面白がっている様子が窺えた。「いっそのこと、私が直接丹羽さんに会いに行って、この祝いの会に誘ってみないか?丹羽さんはきっと来てくれると思うよ」

丹羽光世の視線がわずかに動き、深遠な瞳に興味深そうな光が宿った。

この女は、やはり只者ではない。頭の回転が速く、逆に攻めてくるとは。

「島宮さん、その言葉はどういう意味?」

丹羽光世はゆっくりと口を開いた。口調は相変わらず軽やかだったが、どこか捉えどころのない危険な気配を帯びていた。「まさか、島宮雪乃の方が奈々未より福田家のあの方との結婚に相応しいと思っているの?」

彼はわざと言葉を切...

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